2023/10/15 17:48


こんにちは。
たまにしか更新できていないブログですが、読んでるよ!と
お声かけていただくと嬉しく筆が進みますね!

さて、今回も本のご紹介。
私の大好きなエッセイスト光野桃さん


私が、社会人になった頃からインスタが流行り、おしゃれの収集が雑誌からSNSになりましたが、
私はSNSからの収集にはどこか、限界がある気がしていました。

そんな20代半ばに出会った、光野桃さんのエッセイ📚達
文字で語られるおしゃれに夢中になりました。百聞は一見にしかず、かのように光野桃さんの表現力は
目の前をそんな人がすっと通ったなぁと間違えて記憶してしまうくらい鮮明です。

仕立ての良いグレーのパンツスーツ。それに真っ白の薄手のコットンのシャツを着て、襟を外にやや立てて出している。
そして首には紺地に細い白の横縞のシフォンストールを巻いている。
黒のローファーに、靴下はスーツに合わせてグレーのスポーティーなアーガイル模様。
手元を見れば銀色の大きな時計、そして両手にそれぞれ1つずつ、ダイヤらしき白い大振りの指輪をはめている。
短めの髪にちょっとお茶目な丸い眼鏡。連れの女性と談笑する眼鏡の奥の瞳が、とても優しい。
日本の若くない女性で、こんなにマニッシュな人を私はまず見たことがない。
もし日本人であったら、マニッシュ な女らしさ を通り越して、男の人になってしまうだろう。

それをあくまで女として華やかに見せているのは、このマダムの体系的な骨格の明快さ、華やかさとともにきちんとジュエリーをしているからと言うこともある。耳元に母小さな白く光る石の上品なピアスをしていた。
この辺のバランス感覚にいつも感心させられる。

イタリア人は骨格そのものに華がある。裸でいても派手な民族なのである。その人が吟味されたジュエリーを光としてプラスしている。それによってさらに華やかさが加わるのだ。若くはなくなった時、女に必要なのは成熟した『華』ではないだろうか。それを否定したシンプル、マニッシュには、ある偏った感じが否めない。”
【引用】光野桃 おしゃれの段階 平成15年(58,59ページ)





感性や感覚は磨かれるものであって中から湧き出てくるものではなく、引き出しの数を増やすことと、その引き出しの中に
しっかり情報を収納することが大切ですよね。

もし引き出しがなければ、、そして、その引き出しの中に知識がなければ
いくら素敵なファッションを画像で見たとしても、目から抜けて落ちていくかもしれない。




今回、Atelier L'eclatさんの入荷したジュエリーはヴィンテージガラスパールの5連です。もちろん大人にこそつけてほしいジュエリーです。
華やかなものは、若い方に任せて、、、、という方が多い気がします。
肌の艶がなくなったなら、光を足せばいいんです!

このジュエリーを紹介するのにピッタリな文章がありましたのでご紹介させていただきます。


” 日本の女性は最も好む宝石とされているがイタリアへ来てみて、これは日本以上だー とつくづく思った。道行く人々の襟元を注意して見ていると実にパールが多い。それも、1連のシンプルなものは少なく、たいていは2連か3連。”

” このようなゴージャスなパールの付け方をするのはマダムがほとんどで、 若い人はしない。この国の女性のアクセサリー作りにはきちんとした段階がある。10代の頃、まず細いゴールドのブレスレットやピアスをつけ始める。それは誕生日やクリスマスに親から贈られたものであることが多い。
20代から30代の間にはしっかりした作りのゴールドのネックレスを手に入れる。 そして、40代以降になると、華やかな2連3連の パールをつけるようになる。この、世代によって段階を踏んでいくと言う伝統はアクセサリに限ったことではなく、すべてのファッションに共通の基準になっている。それがおしゃれを成熟させていく。”
【引用】光野桃 おしゃれの段階 平成15年(94〜96ページ)