2023/06/01 16:25

こんにちは。

relan vintageオーナーの寺島です。


梅雨に差し掛かり、外はシトシトと雨が降っておりますね。

悲しいようで、この時期に鮮やかな色をつけ満開にさく紫陽花を見るものと

嬉しい気持ちです。


さて、本日はタイトル通り『コンテリエと黒のジュエリー』について。



漆黒のジュエリーと言うのは、品があり、凛とした女性の美しさを醸し出す。

それは、光の存在とは、影があるからこそ。

決して華やかであることだけが、女性の装いでないことを教えてくれます。





先日、コンテリエについて勉強するためいろいろ調べていたんです。



ちなみに早速、コンテリエとは?


けし粒ほどの小さなビーズのことです。

管状のビーズをカットし磨き上げられたシードビーズのこと。

13〜14世紀頃から作られていましたが、機械の開発により1800年代後半1900年初頭が隆盛でした。

ヴェネツィアのビーズ産業はチェコとの競合に敗れていき、コンテリエ工房はわずか1か所。

インピラレッサ(糸通し針子)も高齢化で12名を残すのみ新たな生産は行っておらず、

現在の取り扱いは過去の生産物とチェコ製のものになっているそうです。



コンテリエと黒のジュエリー。黒のジュエリーというと真っ先に、ジェットが思い浮かべられます。


この2つに関連性があると深く考えたことがなく、初めは、別々で調べ物をしておりましたら、

なんと!コンテリエの製造と、ジェットのジュエリーの流行時期がほとんど同じで関連性がありましたので

合わせて記事を書くことにし、


そうなると、、、、

アトリエNatureさんのノアールシリーズのコンテリエですよ!!!!


あぁもぅこれは、はやく書かなくては、、、、!!!


ということでBlogを書いております💨



そもそもジェットのジュエリーとは?


まず【ジェット】とはなんぞや?

地中深く蓄積した流木が化石化したもので漆黒の宝石のことです。

磨くことで、美しい艶が出る。

比較的柔らかい素材なので、加工がしやすく彫刻のような立体的な作品も多いのが特徴。

 

そして今回のテーマは、

ジェットがモーニングジュエリーとして流行したってこと。


【モーニングジュエリー】としてのジェット


モーニングって朝のこと?朝食のこと?!つまり、ティファニーでオードリーヘプバーンみたいな、朝食をみたいな感じ?

のモーニングではないんです!笑


mourning 〔死者や遺族への〕哀悼、悲嘆、喪服、喪章


こちらの意味なんです。では、本題へ


ローマ帝国の時代から魔除けなどの意味合いで装身具として使われていたジェット・ジュエリー。

ですが、1800年代後半から1900年前半の一世紀を風靡しました。


1861年、イギリスのヴィクトリア女王がアルバート公の急死し、

女王表舞台から身を引いて約25年もの間喪に服したのでした。(20年と書かれる資料もあります。)

その際に身につけられていたジェットは、ヨーロッパ中の宮廷や上流社会に急速に広まり、

故人を偲ぶ時につけるジュエリーとして社会現象になりました。


ヴィクトリア女王は25年もの長きに渡り喪に入りを服とジェット等の黒いアクセサリーをつけて執務に着くようになります。

その為、王室内の人々も喪服で入るようになることを制定されました。


規則に従順な女性たちは、ジェットのアクセサリーを身につけ更には、デザインをアレンジしていきました。


やがて喪服への規制が和らぐと、メーカーはよりファッショナブルな装飾品を求め、ジェットの人気は1900年前半まで続いていきます。


イギリス王室だけでなく、ヨーロッパの人々の間で流行します。ジェットとは、植物が化石化した漆黒の石。

イギリスのヨークシャー州ホイットビーというの小さな漁村で採掘されていましたが、生産量が追いつかないほどの人気に、

天然ジェットは枯渇していき、早期に天然ジェットは珍しいものになっていきました。


その一方で、ドイツやフランスのビーズメーカーがイミテーションとして作られたのがガラス製のフレンチジェット、ヴェネツィアの黒いシードビーズ、

コンテリエ】などもよく使われたり、樹脂製のものも作られるようになりました。

さらにはジュエリーだけでなく、当時はボタンやドレスにつける形で用いることも多かったようです。



一時期程の人気は衰えたものの。アンティークブームと中国での原石の発見により、再び人気を呈しているのです。

(現在は中国製のものが多く、以前,作家さんの作品で中国製のジェットを取扱させていただいてたこともあります。)


この時代の後に、アールデコの時代に入り、コスチュームジュエリーが華ひらく時代へと

移り変わり、今度は、ラリックなどのガラスのジュエリーの時代、そしてスワロフスキーへと進みます。



アトリエNatureさんの黒のコンテリエは、まさに上記の文章のように、

コンテリエとモーニングジュエリーの歴史の背景を再現されたような作品であることをに気付かされ、

それを説明したく今回も長々と文章を書きました。







作品というのは、作家の思いと

また新たに人の思いや解釈が重なりいろんな捉え方を楽しんでいただければと思います。


こちらは、アトリエNatureさんの『ノアールシリーズ』 フランス語では黒と言う意味です。

漆黒が見せる美しさ。そして、モーニング ジュエリーと言われてしまうと、喪に服すジュエリーとして 明るい気持ちにはなれないようですが、

1人の人を愛し抜く意思のある凛とした人。そんな象徴でもあるような気がします。

冒頭でも書きました通り、光の存在とは、影があるからこそ。


そして、コンテリエというその貴重な素材と歴史背景としてなぞらえて
このアトリエNatureさんの作品を解説してみたかったのです。

ちなみにこちらは、2本にヨリをかけたものです。熟練された技術が必要です。




ちなみに、コンテリエに関しては当店にはあと2色納品いただいております。
また後日商品アップと、Blogにもアップいたしますね。


ちなみに、黒のジュエリーでしたらは他にも、
La Strada 林直子さんの作品もご用意しております♪